読書感想文の書き方:初心者でも簡単に書ける7つのステップ
公開日: 2024/09/29
読書感想文を書くことに苦手意識を持っている人は多いのではないでしょうか。しかし、適切な方法を知れば、誰でも魅力的な読書感想文を書くことができます。この記事では、初心者でも簡単に実践できる読書感想文の書き方を7つのステップで詳しく解説します。これらのステップを順番に踏んでいけば、あなたも自信を持って読書感想文を書けるようになるはずです。
1. 本を選び、読む前の準備をする
読書感想文を書く上で、最初の重要なステップは適切な本の選び方と、読む前の準備です。
本の選び方のポイント
- 自分の興味関心に合った本を選ぶ
- 難易度が適切な本を選ぶ(あまり難しすぎず、かつ簡単すぎないもの)
- 可能であれば、文学賞受賞作品や話題の本を選ぶ
読む前の準備
- 著者について簡単に調べる(主な作品、経歴など)
- 本の基本情報をメモする(タイトル、著者、出版社、出版年)
- 表紙や帯の説明文を読み、どんな内容か予想する
例えば、村上春樹の「ノルウェイの森」を選んだ場合、村上春樹の他の作品や1960年代の日本の学生運動について簡単に調べておくと、より深い理解につながります。
2. 効果的な読書法とメモの取り方
感想文を書くことを意識しながら本を読むことで、後の執筆が格段に楽になります。
効果的な読書法
- 最初に目次や章立てに目を通し、全体の構成を把握する
- 一度通して読んだ後、印象に残った箇所を再読する
- 登場人物や重要な出来事をメモしながら読む
メモの取り方
- 付箋を使って印象的な箇所をマークする
- ノートに章ごとの要約や気になったフレーズを書き留める
- 感動した場面や疑問に思った点を記録する
例えば、東野圭吾の「容疑者Xの献身」を読む際には、複雑な人間関係や数学的推理のポイントをメモしておくと、後で感想文を書く際に役立ちます。
3. 基本的な構成を理解する
読書感想文には一般的な構成があります。この基本構成を押さえることで、読み手に伝わりやすい文章になります。
読書感想文の基本構成
- 導入(本の基本情報と選んだ理由)
- あらすじ(ネタバレに注意)
- 印象に残った場面や登場人物の紹介
- テーマや作者の意図についての考察
- 本を読んで学んだことや感じたこと
- まとめ(全体の感想と推薦理由)
例えば、湊かなえの「告白」について書く場合、複数の視点から語られる独特の構造に触れつつ、「復讐」というテーマについての自分の考えを展開するといった構成が考えられます。
4. 魅力的な書き出しを作る
読み手の興味を引く書き出しは、感想文全体の印象を左右します。以下のような方法で、インパクトのある書き出しを心がけましょう。
効果的な書き出しの例
- 印象的な一文からの引用:「人は見た目が9割」という衝撃的なタイトルに惹かれ、この本を手に取りました。
- 問いかけから始める:「あなたは、人を殺したことがありますか?」という問いかけから始まるこの小説は、読者を一気に物語の世界に引き込みます。
- 自分の体験と結びつける:幼い頃から星空を見るのが好きだった私にとって、この宇宙科学の入門書は垂涎の一冊でした。
例えば、「舟を編む」(三浦しをん)の感想文を書く場合、「辞書を作る」という一見地味な作業が、なぜこれほど魅力的な物語になるのか、という問いかけから始めることで、読み手の興味を引くことができるでしょう。
5. あらすじを簡潔に書く
あらすじは、本の内容を簡潔に要約したものです。ここでは、ネタバレに注意しながら、物語の核心を伝えることが重要です。
あらすじを書く際のポイント
- 長すぎないようにする(全体の1/4程度)
- 重要な登場人物と主な出来事に焦点を当てる
- 結末をすべて明かさない(ミステリーなどの場合は特に注意)
- 時系列に沿って書く
例:「君の名は。」(新海誠)のあらすじ
東京に住む男子高校生の瀧と、田舎町に住む女子高校生の三葉が、不思議な形で入れ替わりを繰り返す物語です。お互いの人生を体験しながら、二人は次第に相手に対する思いを深めていきます。しかし、彼らの間には予想もしない障壁が存在していました。時空を超えた二人の運命的な出会いと、そこから生まれる感動的な展開が、読者を魅了します。
6. 印象に残った場面や登場人物を分析する
本の中で特に印象に残った場面や登場人物について、具体的に言及することで、感想文に深みが出ます。
場面の分析ポイント
- なぜその場面が印象に残ったのかを説明する
- 具体的な描写や台詞を引用する
- その場面が物語全体にどう影響しているかを考察する
登場人物の分析ポイント
- 性格や行動の特徴を挙げる
- 他の登場人物との関係性に注目する
- 物語を通じての成長や変化を追跡する
例えば、「夜は短し歩けよ乙女」(森見登美彦)を分析する際、主人公の「先輩」の奇抜な行動や、「黒髪の乙女」との不思議な関係性に焦点を当てることで、作品の魅力を効果的に伝えることができます。
7. 自分の考えや感想を深める
単なる内容の要約ではなく、本を読んで感じたことや考えたことを述べることが、読書感想文の핵심です。
感想を深めるためのポイント
- 本のテーマや作者の意図について考察する
- 登場人物の行動や決断について、自分ならどうするかを考える
- 本の内容と自分の経験や知識を関連付ける
- 社会的な問題や現代の課題と結びつけて考える
例えば、「コンビニ人間」(村田沙耶香)の感想文を書く際、現代社会における「普通」の概念や、働くことの意味について自分の考えを述べることで、より深みのある感想文になるでしょう。
まとめ:読書感想文を書く楽しさを発見しよう
以上、読書感想文を書くための7つのステップを詳しく見てきました。これらのステップを意識しながら書くことで、あなたの感想文はきっと魅力的なものになるはずです。
重要なのは、これらのステップを単なる「型」として捉えるのではなく、本との対話を楽しむための道具として活用することです。読書体験を通じて得た感動や気づき、そして自分自身の成長を、感想文という形で表現することを楽しんでください。
最後に、読書感想文を書くことは、本の内容をより深く理解し、自分の思考を整理する素晴らしい機会です。これらのステップを参考に、あなたならではの素晴らしい読書感想文を書いてみてください。きっと、本を読む楽しさがさらに広がることでしょう。
参考文献・おすすめ本
- 「読書感想文書き方ドリル」(大竹稽)
- 「小論文・読書感想文の書き方」(樋口裕一)
- 「大人のための読書感想文」(饗庭孝男)
これらの本を参考にすることで、さらに読書感想文の書き方のスキルを磨くことができるでしょう。